「漫画・君たちはどう生きるか」を読んだ感想を書いていきます。
著者:吉野源三郎
1899~1981年。
編集者・児童文学者。
「君たちはどう生きるか」は、今も読み継がれる名作であり、池上彰氏が心から感動した作品でもある。
岩波少年文庫の創設にも尽力。
地動説で有名なコペルニクスから名付けられた、コペル君という少年の生活を見ていくストーリーです。
コペル君の気づきや発見に、
「あ、たしかにそうだな」
「自分も見習おう」
など、生き方のヒントがいろいろもらえます。
要所要所に長文が書かれていますが、基本的に漫画形式で話が進んでいくので、読みやすいです。
自分の考えをもつことの大切さ
世間には、他人の目に立派に見えるように、見えるようにと振る舞っている人が、ずいぶんある。そういう人は、自分がひとの目にどう映るかということを一番気にするようになって、本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ。僕は、君にそんな大人になってもらいたくないと思う。だから、コペル君、くりかえしていうけれど、君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことを、くれぐれも大切にしなくてはいけない。それを忘れないようにして、その意味をよく考えてゆくようにしたまえ。
コペル君の叔父さんが、コペル君に書いたノートの文章です。
要するに、他人にいい風に見せようと生きるのではなく、自分の考えをしっかりもって生きていくことの重要性を語っています。
ここを読んでいて、心にぶっ刺さりました笑。
「親のレールを歩く」と言いますが、それに対して批判的な文章ですよね。
親の言う通りに人生を歩んでいると自分の考えを大切にできていないから、自分の考えをもって流されずに生きよう。
そう思えました。
消費専門家の人生に対する苦言
生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することはできやしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。これは、何も、食物とか衣服とかという品物ばかりのことではない。学問の世界だって、生み出してゆく人は、それを受け取る人より、はるかに肝心な人なんだ。だから、君は、生産する人と消費する人という、この区別の一点を、今後、決して見落とさないようにしてゆきたまえ。
つまり、「消費ばかりするのではなく、なにかを生産する側に回ってみよう」と言っています。
よく考えてみると、ぼくたちは普段、数えられないくらい消費活動をしていますよね。
消費するということは、同時にそれを作っている人がいます。
少しでも作る側の人間になれたらと思いました。
ぼくはこうしてブログ記事を作ったり、Twitterの投稿を作ったりしています。
これも一種の「作る」行為だと思っています。
「まだまだ「作る」が足りねえなあ」と思う日がありますが、上記の文章を読んで「作るとは素晴らしいことなんだなあ」と改めて思いました。
世の中は自分を中心に回っていない
宇宙では地球を中心に太陽が動かないように、世の中では自分を中心として物事は動いていきません。
実は、叔父さんがコペル君という名前をつけたのは「自分を中心に世界が回っていない」ということを意識させるためでした。
ぼくは、よく人の話を聞かないと言われることがあります。
「え、それ言ったよね?」
といった感じです。
世の中は自分を中心に回っていないということを意識していたら、きちんと聞いていたでしょう。
少しずつ直したいと思います笑。
まとめ:この本で浮かぶ考えは十人十色
「漫画・君たちはどう生きるか」を読んで、僕は
- 自分の考えをもつことの大切さ
- 生産者の素晴らしさ
- 世の中は自分を中心に回っていない
ということを、自分の生きかたに取り入れてみようと思いました。
取り入れる部分、心に刺さる部分は十人十色で、人それぞれに違ってくると思います。
この本で「あなたの生きかた」を探してみてはいかがですか。